皆様のレッスンをする際、いまやっている曲をどの段階で「仕上げ」とするかは、各生徒さんの状態をみながら決めることが多いですが、では、習う立場では、どのように曲を仕上げていくかということについて、少し書いてみます。

ただ、「仕上げ」とはいっても、一つの曲に対してどの段階でとりあえずの「仕上げ」とするかは、色々とあります。

・初めて取り組んだ曲
・発表会やそのほか舞台で弾くために準備している曲
・以前弾いたことがあるが、改めて練習している曲

練習している曲はおそらく、上記のどれかの環境にあるかと思います。

初めて取り組む曲や以前弾いていた曲を改めて掘り起こすことの話は、また改めて書きたいと思いますが、今日は、上記2番目の点について。

先日、アマチュアの方がコンサートで演奏するのを全てではありませんが拝見しました。
レパートリーとしている「魔笛」の演奏の感想も演奏後に聞かれましたが、素晴らしい演奏でした。

そして、色々と話している中で、いろんなスタイルのアドバイスを各先生から教わっているが、解釈などが違ったりする部分はどうしてよいか分かりにくいということも話題として出ました。

私は、演奏する立場、表現する立場としてアドバイスをさせて頂きましたが、このようなことに関しての答えはシンプルです。

まず、このような悩みが出てくるという事は、やっていることも習っていることも相当熟練度を必要とするものなのですが、答えとしては、色々な教えを表現の引き出しだと考えておけば良いのです。

演奏する環境は、いつも異なります。

自宅、音楽教室、ホールなどなど・・
そして、季節や天候、自分の精神状態によっても環境は常に異なります。

食前と食後でも違いますしね^^

ですから、その時の環境に応じて微妙に表現を変化出来るように、常に「遊び」の部分、言い方を変えると「のりしろ」の部分があるようにしておくのです。

理論や楽典など基本的なものは必要ですが、最終的に舞台で表現をする時には、

「こうでなければならない!!」

というものは、考えすぎない方が良い結果が得られると思います。
大事なことは常に柔軟でいることですね。

もちろん、柔軟にするためには、きちんとした技術が不可欠です。
上達すればするほど、「練習」ではなく「修練」を心がけて、ですね。