11月29日と30日にスペイン歌曲のコンサートを行いました。

29日は、現代ギターGGサロン
30日は、ギター文化館です。

昨年、この企画のお話を頂いたときから、とても楽しみにしていました。
普段ギターソロや重奏なのでは演奏する作曲家たちの歌とギターにトピックを絞ってのコンサートは、非常に内容のある演奏する自分たちにとってもとても勉強になりました。

演奏したプログラムは以下です。

*5つのカタロニア民謡(マヌエル・ガルシア・モランテ編曲b. 1937)
 カテリーナ・ダリオー Caterina d'Alio
 ラ・マルガリデータ La Margarideta
 アメリアの遺言 El testament d'Amelia
 アラゴンの婦人 La Dama d'Arago
 糸を紡ぐ女 La Filadora

*セギディーリャ集より(フェルナンド・ソル) (1778-1839)
 私の瞳があなたを殺すというのなら Si dices que mis ojos
 愛の檻の中で De amor en las prisiones
 覚えていて親愛の人 Acuerdate, bien mio
 私のためにお墓を用意してください Preparame la tumba
 悪戯な瞳 Mis descuidados ojos
 あなたが他の人に手を差しのべたら Si a otro cuando me quieres

*魔笛の主題による変奏曲(ソル)ギターソロ

*4つの愛のマドリガル(ホアキン・ロドリーゴ) (1901-1999)
 何を使って洗いましょう?  ¿Con qué la lavaré?
 君ゆえに死ぬ思い Vos me matásteis
 恋はどこから来たの? ¿De dónde venis, amore?
 お母さん、ポプラの林に行ってきました De los álamos vengo, madre

*トナディーリャスより(エンリケ・グラナドス)(1867-1916)
 トゥラララとつま弾いて El tra la la y el punteado
 控えめな男 El majo timido
 愛と憎しみ Amor Y Odio
 街をさまよう Callejeo
 ある女のまなざし El mirar de la maja
 賢い恋人 El majo discreto

*ペテネラ(フェデリコ・モレノ・トローバ) (1891-1982)

*ソナチナ(トローバ)ギターソロ
 アレグレット
 アンダンテ
 アレグロ

*7つのスペイン民謡(マヌエル・デ・ファリャ)(1876-1946)
1.ムーア人の布地 El Paño Moruno
2.ムルシア地方のセギディーリャ Seguidilla Murciana
3.アストリアの歌 Astriana
4.ホタ Jota
5.ナナ Nana
6.歌曲 Canción
7.ポロ  Polo

一緒に演奏したのは、台湾の黄子珊(Huang Tzu-Shang)さん。普段はニックネームで使用しているアメリカンネームのZoeで呼んでいます。

今回の来日の2週間前までは、台湾でオペラ「魔笛」の公演を行っていて、そこではパミーナ役をしていたそうです。その直後の来日ということになりました。

Zoeさんと初めて演奏したのは、たしか2002年でした。
私がまだピーボディ音楽院に在籍していた頃ですが、ある日、ギター科のレイ・チェスター教授から、「声楽科からChamber musicを一緒にできるギターリストの派遣を依頼されているが、興味あるか?」と話されました。ただ、そこで言われたのは、声楽科の依頼主のリサイタルまでは3週間しかないとも・・・。

でも、私としてはいろいろなことにチャレンジしてみたかったので、即答でやりたいということを伝えました。
しかも、答えたときには、何の曲をやるかも知らずに・・・。

で、後日渡されたのが、ブリテンの「Chinese Songs」

昨日、Zoeさんと当時のことについて思い出話をしながら話しましたが、楽譜を貰ってからリサイタルまでの期間は2週間ほどだったそうです。

そんなことがきっかけで、2005年には台湾でも演奏させてもらうことになりました。
http://www.keishisumi.com/history.html#2005

それから9年ぶりの共演となるので、とても楽しみだったのです。

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11月25日の午前中に成田に到着なので、迎えに行った後、午後全体を軽く通すリハを行いました。
26日には、1曲づつ詰めていく作業をしましたが、作曲家や曲のスタイルによって、どのような声にしていくのかについても検討していきました。アイデアによって歌声が自由自在に変えられるのは今回一緒に演奏して驚いたことの一つでもありました。

ギターで言うと、タッチを少し修正するだけで音色が変わる。そんなことを声楽でも瞬時にしていくのは、音楽作りをしていて楽しく、勉強にもなる作業でした。

27日には、大体リハーサルでは仕上がってきました。
28日には、修正必要な個所だけ確認するようなリハ。

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29日の演奏で、声楽との間にソロを演奏して、修正した方が良いなと思える部分があったので、その点を変更しながら30日には演奏しました。
自分としては、29日と30日では演奏の方向性は大分変えたところがあったのですが、どちらとも弾いていて良い経験になりました。

A.R.Cのボーカル山下さんも応援に駆け付けてくれて、とても嬉しかったです。

皆様、どうもありがとうございました。