2019年05月

カイロの技術や知識について勉強をしていると、身体の健康も基礎、基本が本当に大切だということに気付かされます。

バルエコのもとでは、音楽院一年目の最初のレッスンである選択を迫られました。

バルエコ先生から投げかけられた質問。

「今でもよく弾けているけど、このまま色々な曲をするのと、基礎をするのと、どちらを希望するか?」

というもの。
せっかくレッスンを受けるのだから、私は後者の基礎を学びたい旨を告げました。

バルエコ先生は、それは正しい選択だと思う。それでは、これから基礎をしていくから、弾いて良いと言うまで曲は弾かないように。という指示をされ、そこから開放弦のみを弾く練習に入りました。

真面目に開放弦を弾く練習をして2週間後のレッスンに行くと、「曲を弾いたでしょう」という指摘。

開放弦を弾く練習の合間に曲をポロポロ弾いていたことがお見通しでした。

再び、曲を弾いてはならないという指示が出され、今度は、学校の練習室に籠もり、ひたすら開放弦のみの練習に打ち込みました。

数年という限られた時間しかないのだから、曲を色々することよりも、基礎を修練しなさい。
基礎をマスターすれば、曲はおのずと弾けるようになる、という考え方を散々叩き込まれました。

そんなこんなで、座り方から弾き方、左手の基礎も含めて徹底的に訓練させられました。

カイロで、姿勢の基礎が分かってくると、バルエコ先生、ピーボディ音楽院の教える演奏姿勢が身体の面から見ても基本に合致していることに気がつきました。

ですので、基本を研究されつくされている演奏法には、ただただ驚くばかりです。

身体の面から見ると、身体に負担が少なく効率の良い演奏をするには、姿勢は一つしかないということも分かってきました。

身体が歪んでいると、その姿勢が見つけられなかったり、分かっていても作れなかったりします。
あるいは、歪んでいることを度外視して、なんとなくな姿勢で落としどころを作る、ということも起きてしまいがち。

カイロの知識と技術が加わることにより、身体の面も含めて演奏をよくしていきたい人に対しての集中度も前より増した気がしています。

真剣に相談をされる方には、耳が痛いこともアドバイスされたりするかと思いますが、それも、その人の音楽人生が楽しく長く出来るようにするため。

まあ、実際は楽しく進行出来るようにしていますけどね。私の気持ちの中は、以上の様に真剣なのです。

今日は、大阪の梅田でグラナダライブでした。

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普段演奏しない曲たちを多く演奏してみました。

ことのほか、喜んで頂けた様子でしたのでホッとしました。
 

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演奏後にも、皆様と色々話が出来て楽しかったです。

次回の私のグラナダライブは11月です。

皆様、どうもありがとうございました!

時折、ゾーンに入るという様なことを聞くときってありますよね。

比較的よく聞かれるのはスポーツの世界でなど。

そのゾーンには、演奏活動をしている音楽家でも経験をした事のある人はいると思います。

4日のアランフェスの演奏で、久しぶりにゾーンに入ることが出来ました。

以前、ゾーンを経験出来た時期があったので、ブログの記事を遡ったのですが、2013年の頃ですね。
https://blogs.yahoo.co.jp/kcsumi/53846829.html

では、そのゾーンとは何か。

これは言葉での説明は難しいです。

簡単に感じることを箇条書きにしてみます。

· 調子が良いとか上手く弾けそうというものとは異質。

· 周りの状況や様子が細かく手に取る様に把握が出来る。

· 要所で、そのポイントを弾くとか合わせるなどの部分が光って見える。

· ギターを弾いている感覚がなく、意識を向けるだけで、全ての音や技術のコントロールがされていってしまう。

· 柔らかい空気に包まれるような感覚がある。

ざっと挙げるとこの様なもの。
私は変な宗教的なものとかを信じている訳ではありません。
しかし、誰かがスイッチを入れてくれたかの様に、その状態にストンと入っていくのです。

アランフェスでは、技術的なミスは少しありましたが、実をいうと、そのミスも数小節ほど前から予測出来ている。。
そして、その一拍半の後には元に戻れるのも、数小節前に分かっている。自分にとっても不思議な感じです。

今回、そのゾーンに入ったと感じたのは、第一楽章の三分のニ程経過した辺りでした。

スポーツの世界でも、ゾーンに入った選手は「コートの一部が光り、そこに打てば得点出来る」という実感があったりする話を聞いたことがあります。

この経験は、どうしたら出来るのかは自分でも分かりません。
ただ、一つ当てはまるかなと思うのは、2013年に経験した時は、その前に精神的に苦しい時期が続いていました。

今回は、特に苦しい時期が間近であったわけではありませんが、スッと入り込んでいきました。

本当にこの感覚は不思議です。
この感覚に入り込んでいる間は何をどう弾いても全部問題ないという状態になるのです。

ゾーンを経験したことのある音楽家とこういう話をしてみたいですね。

そういった意味でも、今回のアランフェス協奏曲の演奏は、非常に貴重な経験でした。

昨日5月4日、墨田区の曳舟文化センターにてテオフィルス室内管弦楽団の定期演奏会が催されました。

その演奏会で、アランフェス協奏曲を演奏させて頂きました。

曳舟文化センターは、東京スカイツリーのすぐ近くです。天気にも恵まれました。

内容がアランフェス協奏曲であり、また、令和に元号が改元されて初の舞台でもあるのでとても楽しみにしていました。

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本番での演奏写真が手元にないので、リハーサル時のものを。

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オケが一緒というのは、とても演奏しやすいですね。

会場は約600席のホールですが、連休中にも関わらずかなり大勢の皆様にお越し頂きました。
当日券だけでも54枚出たそうです。

こんなにも多くの方に会場にお越し頂き、嬉しい限りでした。

演奏については、詳しくは次の記事に書こうかと思いますが、久しぶりにゾーンに入る感覚を覚えました。
椅子に座った瞬間、「上手くいく!!」という確信が湧き、曲の終わりが近くなるにつれて感慨深いものが増していきました。

高畠先生の指揮も、ご一緒に演奏させて頂き、とても演奏しやすく、また一体感を作り出して頂き、勉強になりました。

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アンコールも頂き、一曲、アランフェスの後に演奏させて頂きました。
後から楽団の方が教えてくれたのですが、結構な人数のお客様が涙を流してハンカチで拭っていたりしたそうです。

カーテンコールも、4-5回頂いたでしょうか。この回数は私にとってもなかなかなかったこと。

CDも沢山ご購入頂き、ありがとうございました。

私を温かく迎えて下さったテオフィルス室内管弦楽団の皆様、指揮の高畠先生、どうもありがとうございました。

音響セッティングをして頂いたミュージックプラントの大谷さんにも感謝です。

そして、駆けつけて頂いた皆様、どうもありがとうございました。

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