29日は、大萩康司さんのマスタークラスがギター文化館で行われたので行ってきました。
マスタークラスでは、うちの生徒さんが2名受講しました。
斉藤裕和さんは、大聖堂の第1楽章と第3楽章
山本英雄さんは、レイ・ゲーラの12月の太陽
山本英雄さんは、レイ・ゲーラの12月の太陽
での受講です。
私は途中から会場に入ったので、斉藤さんのレッスンには間に合うことが出来ませんでした。山本さんの12月の太陽のレッスンは拝聴しました。

この曲のレッスンを見ることに、とても興味を持っていきました。
というのも、「12月の太陽」は大萩さんのために書かれた曲だからです。
というのも、「12月の太陽」は大萩さんのために書かれた曲だからです。
そんな曲について、どのような説明がなされるのかに興味がありました。
すると、「やっぱり!!」というようなことを話されていました。
すると、「やっぱり!!」というようなことを話されていました。
それは、レイ・ゲーラ氏がどのような想いをこめて曲を書いたのかということについてです。
簡単にいうと、現在、アメリカに住んでいる氏が、故郷のキューバを思い浮かべて書いたという趣旨のものでした。
アメリカに住んでいるキューバ人が、どのような気持ちで祖国の事を思っているのかは、私もほんの少しだけ分かる気がします。キューバ人がアメリカに住んでいるということは、彼らは、祖国から亡命してきたということになります。
私は在米時、ギターカルテットを組んでいて、そのメンバーの一人がキューバ人でした。彼の名はラファエル。アメリカでの私の親友です。ラファエルはもうアメリカ人ですが、彼ももともとはキューバ人で亡命してアメリカに入国しました。
彼は、私に、どのようにして祖国を脱出してアメリカまで来たのかを話してくれたことがあります。
それは、まるで私たち日本人からしたら想像できないようなものでした。
キューバはカストロ政権下において、独裁と言える政治を行っていて、アメリカとは国交がありません。国民の生活にはなかなか自由が許されないということを聞きました。
それは、まるで私たち日本人からしたら想像できないようなものでした。
キューバはカストロ政権下において、独裁と言える政治を行っていて、アメリカとは国交がありません。国民の生活にはなかなか自由が許されないということを聞きました。
どのように自由がないのかは、いくつか話を聞きましたが、印象に残っている話が一つあります。
たとえば、ビートルズのような音楽は禁止されていて、普通に聞くことも制限されているなかで、ラファエルは、知人つてで手に入れたビートルズのカセットテープを隠れながら、音も隣近所に聞こえないようにラジカセのスピーカーから最低限の音量で鳴るように再生して、スピーカーを耳に充てて聴いていたそうです。もし、これが役所にばれてしまえば逮捕されるということでした。
たとえば、ビートルズのような音楽は禁止されていて、普通に聞くことも制限されているなかで、ラファエルは、知人つてで手に入れたビートルズのカセットテープを隠れながら、音も隣近所に聞こえないようにラジカセのスピーカーから最低限の音量で鳴るように再生して、スピーカーを耳に充てて聴いていたそうです。もし、これが役所にばれてしまえば逮捕されるということでした。
ラファエルは、ある時、アメリカへの亡命を決意します。
そのきっかけは、チリで行われたギターフェスティバルに参加することでした。
参加と渡航許可が下りた書類とギターと楽譜。それから数日分の旅行のための着替えのみをスーツケースに詰めてキューバを出たのです。この時に、亡命することを伝えたのは奥さんだけだったそうです。
自分の両親などの家族には伝えることが出来ずに出国したのです。その理由は、もしラファエルが亡命することを事前に知っていたことがばれると、家族が捕まってしまうからです。
参加と渡航許可が下りた書類とギターと楽譜。それから数日分の旅行のための着替えのみをスーツケースに詰めてキューバを出たのです。この時に、亡命することを伝えたのは奥さんだけだったそうです。
自分の両親などの家族には伝えることが出来ずに出国したのです。その理由は、もしラファエルが亡命することを事前に知っていたことがばれると、家族が捕まってしまうからです。
奥さんは、これも偶然だったのですが、ラファエルよりもしばらく後にベネズエラで行われる講習会に参加できることになっていて、時間差で亡命することになっていました。
ラファエルは、チリのフェスティバル後は、コスタリカに入ります。
そこから、ラファエルはキューバにいる奥さんに手紙を送ります。自分の動向を知らせるためです。もちろん、普通に郵送してしまえば、ラファエルも奥さんも捕まる可能性があるから、コスタリカでキューバ方面に行く人に声をかけて、人づてに手紙を送るという手段を取ったそうです。
そこから、ラファエルはキューバにいる奥さんに手紙を送ります。自分の動向を知らせるためです。もちろん、普通に郵送してしまえば、ラファエルも奥さんも捕まる可能性があるから、コスタリカでキューバ方面に行く人に声をかけて、人づてに手紙を送るという手段を取ったそうです。
奥さんは、ベネズエラに講習会のために入国しました。このときもラファエルが出国した時のように、楽譜や最低限の持ち物のみでの出国でした。
そして、10か月ほどののち、ラファエルと奥さんはコスタリカで再会し合流しました。ラファエルが奥さんに再会した時には、奥さんは痩せ細っていて、その苦労がありありと見えたと言っていました。
そして、彼らは、コスタリカ経由でアメリカ合衆国に入国したのです。
そして、彼らは、コスタリカ経由でアメリカ合衆国に入国したのです。
バルエコ先生も、14歳の時に親に連れられてキューバを亡命してアメリカに渡りました。
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マイアミには、沢山のキューバ人が住んでいます。
第2のキューバと言われているほどで、マイアミでは英語が必要ないくらいで街にはスペイン語があふれています。
第2のキューバと言われているほどで、マイアミでは英語が必要ないくらいで街にはスペイン語があふれています。
亡命をした彼らキューバ人ですが、実際は、とてもキューバのことを愛しています。
ただ、政府の方針に耐えられなくて国を捨てた状態に置かれているだけ・・・。
ただ、政府の方針に耐えられなくて国を捨てた状態に置かれているだけ・・・。
そんなこともあるのだと思うのですが、キューバに少しでも近いところに住みたいという気持ちなのでしょう。キューバ人が多く住んでいるマイアミは、フロリダ半島のキューバに近いところに位置しています。
上述した12月の太陽の曲のことについて解説されている時に、ゲーラ氏が「キューバに帰りたい」というような想いがあるというふうな内容がありました。
ゲーラ氏が、私に組曲「道」を書いてくださった時にも、作曲にあたって打ち合わせで氏と電話で話した時に、キューバのリズムなどを取り入れていくと話していましたが、「この部分はカントリーサイドでよく聞かれるようなリズムだよ」という様な話をしている時は、本当にゲーラ氏は嬉しそうに話をしていました。
ラファエルも含めて、本当ならば亡命しないで大好きなキューバにいたかったのだろうなと思うと、とても切ない気持ちになります。
29日のマスタークラスを通じて、キューバ人の心にある想いを久しぶりに再び見た気がして、12月の太陽に込められた想いがとてもよくわかる気もしました。
ただ単に、風景を描いただけとは思えない曲ですね。
音楽は奥が深いと思います。
音楽は奥が深いと思います。