カイロの技術や知識について勉強をしていると、身体の健康も基礎、基本が本当に大切だということに気付かされます。

バルエコのもとでは、音楽院一年目の最初のレッスンである選択を迫られました。

バルエコ先生から投げかけられた質問。

「今でもよく弾けているけど、このまま色々な曲をするのと、基礎をするのと、どちらを希望するか?」

というもの。
せっかくレッスンを受けるのだから、私は後者の基礎を学びたい旨を告げました。

バルエコ先生は、それは正しい選択だと思う。それでは、これから基礎をしていくから、弾いて良いと言うまで曲は弾かないように。という指示をされ、そこから開放弦のみを弾く練習に入りました。

真面目に開放弦を弾く練習をして2週間後のレッスンに行くと、「曲を弾いたでしょう」という指摘。

開放弦を弾く練習の合間に曲をポロポロ弾いていたことがお見通しでした。

再び、曲を弾いてはならないという指示が出され、今度は、学校の練習室に籠もり、ひたすら開放弦のみの練習に打ち込みました。

数年という限られた時間しかないのだから、曲を色々することよりも、基礎を修練しなさい。
基礎をマスターすれば、曲はおのずと弾けるようになる、という考え方を散々叩き込まれました。

そんなこんなで、座り方から弾き方、左手の基礎も含めて徹底的に訓練させられました。

カイロで、姿勢の基礎が分かってくると、バルエコ先生、ピーボディ音楽院の教える演奏姿勢が身体の面から見ても基本に合致していることに気がつきました。

ですので、基本を研究されつくされている演奏法には、ただただ驚くばかりです。

身体の面から見ると、身体に負担が少なく効率の良い演奏をするには、姿勢は一つしかないということも分かってきました。

身体が歪んでいると、その姿勢が見つけられなかったり、分かっていても作れなかったりします。
あるいは、歪んでいることを度外視して、なんとなくな姿勢で落としどころを作る、ということも起きてしまいがち。

カイロの知識と技術が加わることにより、身体の面も含めて演奏をよくしていきたい人に対しての集中度も前より増した気がしています。

真剣に相談をされる方には、耳が痛いこともアドバイスされたりするかと思いますが、それも、その人の音楽人生が楽しく長く出来るようにするため。

まあ、実際は楽しく進行出来るようにしていますけどね。私の気持ちの中は、以上の様に真剣なのです。