時折、ゾーンに入るという様なことを聞くときってありますよね。

比較的よく聞かれるのはスポーツの世界でなど。

そのゾーンには、演奏活動をしている音楽家でも経験をした事のある人はいると思います。

4日のアランフェスの演奏で、久しぶりにゾーンに入ることが出来ました。

以前、ゾーンを経験出来た時期があったので、ブログの記事を遡ったのですが、2013年の頃ですね。
https://blogs.yahoo.co.jp/kcsumi/53846829.html

では、そのゾーンとは何か。

これは言葉での説明は難しいです。

簡単に感じることを箇条書きにしてみます。

· 調子が良いとか上手く弾けそうというものとは異質。

· 周りの状況や様子が細かく手に取る様に把握が出来る。

· 要所で、そのポイントを弾くとか合わせるなどの部分が光って見える。

· ギターを弾いている感覚がなく、意識を向けるだけで、全ての音や技術のコントロールがされていってしまう。

· 柔らかい空気に包まれるような感覚がある。

ざっと挙げるとこの様なもの。
私は変な宗教的なものとかを信じている訳ではありません。
しかし、誰かがスイッチを入れてくれたかの様に、その状態にストンと入っていくのです。

アランフェスでは、技術的なミスは少しありましたが、実をいうと、そのミスも数小節ほど前から予測出来ている。。
そして、その一拍半の後には元に戻れるのも、数小節前に分かっている。自分にとっても不思議な感じです。

今回、そのゾーンに入ったと感じたのは、第一楽章の三分のニ程経過した辺りでした。

スポーツの世界でも、ゾーンに入った選手は「コートの一部が光り、そこに打てば得点出来る」という実感があったりする話を聞いたことがあります。

この経験は、どうしたら出来るのかは自分でも分かりません。
ただ、一つ当てはまるかなと思うのは、2013年に経験した時は、その前に精神的に苦しい時期が続いていました。

今回は、特に苦しい時期が間近であったわけではありませんが、スッと入り込んでいきました。

本当にこの感覚は不思議です。
この感覚に入り込んでいる間は何をどう弾いても全部問題ないという状態になるのです。

ゾーンを経験したことのある音楽家とこういう話をしてみたいですね。

そういった意味でも、今回のアランフェス協奏曲の演奏は、非常に貴重な経験でした。