今日は、アナ・ヴィドヴィチさんのギターリサイタルが横浜市の青葉台フィリアホールで行われたので行ってきました。

一昨日の茨城公演では2重奏を一緒に演奏したので、客席で聴くことが出来ませんでした。
ですので、今日、客席で見ることが出来、とても嬉しかったです。
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やはり、なんといってもバッハとパガニーニが凄かった。

毎回、演奏が見る度に深みが増していて、何も言うことが出てきません。

凄いの一言です。

先日、「バルエコの門下は皆さんタイプが違うの?」というような趣旨の質問を受けたので、そうなのかな?ということも頭の片隅に置きながら視聴しました。

が、しかし・・・

やはり、バルエコの門下そのもののスタイルでした!!

もちろん、アナさん独自の個性は強く打ち出されています。
でも、冒頭のバッハなど、見るからに、「ピーボディ音楽院出身の演奏だ!!」というものでした。

今回のバッハ、ピーボディ音楽院のバルエコマスタークラスで確か弾いていた記憶があります。
今日も、聴きながら・・・「隣でバルエコ先生が座っているような感覚」が想い出されました。

はっきり言うと、テクニックも音楽的なことも、バルエコ先生やピーボディ音楽院での基礎が大きな土台になっている。
そう思わざるを得ない演奏でした。

さて、ここからは、アナさんの個性の部分ですが・・・(笑)

私が知っているバルエコ門下生の中では、ずば抜けてアポヤンド使用率が高いギタリストのように思います。

あの圧倒的な中音域と高音域の音量は、そこから来ています。

いま、「圧倒的な中音域と高音域の音量」と書きましたが、今日聴いていても思いましたが、アルアイレに関しては、他のギタリストと比べても決して音量があるようには思えません。
だけど、アポヤンドの使い方が尋常ではないくらい巧みで、迫力が全体を覆うような演奏になるのですね。

さらに、もう一つだけ言うと、彼女は迫力のためだけにアポヤンドを使っている訳でもありません。
アポヤンドでピアニッシモもかなり沢山弾いています。

アポヤンドとアルアイレの使い分けは、音量の差をつける為だけではなく、音の出し方に差をつけたいというのも大きな理由としてあります。それはつまり、表現の幅を大きくする効果のためですね。

アナさんの手を見ていると、とても少ない動きですが右手のテクニックがあまりにも超絶的です。

よく取り上げられるのは、トレモロを3フィンガーで弾いていることなどがあり、確かにそれも珍しい奏法として見ることが出来ます。
しかし、トレモロはアルペジオの応用でもあります。


では、何が超絶的なのか・・・。

それは・・・

「右手のポジションをほとんど変えないで、アポヤンドとアルアイレの切り替えを行っていること」

です。
ピーボディ在学中に、このことには気が付いたのですが、何度か真似しようと試していますが難しいのです。

例えば、パガニーニの速度の速い箇所でのスケールなど・・・
1~2弦で、迫力のある音量でアポヤンドでスケールを弾き始めます。
下降スケールで、音が下がってくるにつれ、自然なディクレッシェンドがかかりながら、3弦辺りではいつの間にかアルアイレに切り替わっているのです。

その切り替えがまた、腕の位置、手の甲の位置が全くといって良いほど動かないで切り替えているので、近くから余程注意して見ていないと気が付かないほどです。

客席の中央や、左側の客席の方は、おそらく全くといって良いほど気が付かないかもしれません。

私はこの技術はかなり高度だと思います。
速度が速くなければ出来るのですが、アナさんは高速の16分音符のスケールを弾いている最中にいつの間にか切り替えているのです。

微妙な音量の変化。
そして、アルアイレへの切り替え。

見ていて、ギタリストでも見とれてしまう技です。

明日と明後日、前橋や名古屋でご覧になる皆さま、是非、その辺も見ながら楽しんでみてください。

超見どころです!!

同じバルエコ門下が活躍しているのは、見ていてとても嬉しく思います。

以下はおまけ。
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