大きな演奏がある前にはセナの映像を見るという習慣が私についていますが、私が未だにセナが好きなのには理由があります。

それは、少しでも良い成績を出すためにひたむきであること。
そして素直であること。


私が初めてF1を観たのは91年のベルギーグランプリ。
しかし、そこで好きになったドライバーは鉄人と言われたリカルド・パトレーゼでした。パトレーゼは安定感のある走りをするドライバーでしたが、このベルギーでは、予選17位から徐々に入賞圏内に入っていった走りをしました。

それ以来、パトレーゼのことが大好きになりました。ウィリアムズではマンセルがとても目立っていましたが、地味ながら、92年から採用して圧倒的な強さを発揮したアクティブサスを開発したのはパトレーゼの尽力が大きかったと専門誌で読んだ記憶があります。

あと、ベルギーで衝撃的だったのは、そこでデビューをしたミハエル・シューマッハ。トップチームではないジョーダングランプリからデビューしたにも関わらず、デビュー戦予選いきなりの7位。本戦ではリタイヤしてしまいましたが、強烈でしたね。

そして、そういうドライバーたちをおさえて圧倒的な強さで勝ったのがセナだったのです。
当時、セナは非常に強く、マクラーレンホンダとの相性もとても良かったと感じましたが、それゆえに、セナをあまり応援していませんでした。

しかし、92年のモナコグランプリで、圧倒的な強さのウィリアムズルノーのマンセルを押さえきって勝った時にセナの虜になってしまったのです。

それから、93年の南アフリカでのセナの貴神のような走りや、ブラジルでの鋭い判断力などをみていると、単に速いだけでなくその裏では、常に研究し修練し上を目指すという姿勢が見えてきて、大ファンになってしまったのです。

そして単なる偶然ですが、私が自動車免許を取得したのがなんと94年5月1日・・。
そう、あのイモラでセナが散った日です。
免許センターからの帰りの電車で、向かいに座っている乗客がスポーツ新聞を広げていて、そこにセナの記事が大きく出ていたのを見たときには、唖然としました。

その当時のニュースを伝えるライブでの速報です。
http://www.youtube.com/watch?v=hihC6BmPee8

その後、F1界を背負っていったシューマッハがイモラでセナにならぶ41勝を挙げたときのインタビューは心を打ちました。

http://www.youtube.com/watch?v=GkUu1w4V_Vg&feature=related

インタビューは英語ですが、とても感動的なインタビューです。

セナが事故を起こした時に真後ろを走行していたのがミハエル・シューマッハ。時速300キロ超で目の前で起きたことはきっと忘れられないという言葉では済まない重圧を感じたと思います。それは、シューマッハがレースを始めたきっかけがセナだったということからも推測できます。



シューマッハがインタビューに応えきれなくなったときに、横からミカ・ハッキネンが自分に質問をするように促したことも感動的でした。しかし、ハッキネンもセナの元チームメイト。ハッキネンも言葉が出なくなって、さらにラルフ・シューマッハに振ります。そして、ラルフが淡々と答えていく様子は素晴らしいと思いました。

http://www.youtube.com/watch?v=dUxYoZlROZg&feature=related


そんな彼らが尊敬してやまないセナ。


ひたむきな雄姿をみていると、わずかだけでも見習わらないといけないなあと思うんですね。
そして、単なる天才ではないと思うからこそ、好きなのです。

なんだか、少し変かもしれませんが、きっと、これからも演奏会前には、セナの映像を見たくなるんじゃないかなと思ってます。