屋久島滞在3日目です。
今日はいよいよ、縄文杉に会いに行く日です。
でも、膝は大丈夫かなあ・・・と心配にもなります。
それから、往復22キロのトレッキングなんて初めてだし・・。
それから、往復22キロのトレッキングなんて初めてだし・・。
まあ、気合を入れて行きましょう。気力が一番大事です。
起床は午前3時15分。
外がまだ真っ暗な時間に起床ですが、こういうときだけは意外と気持ちよく起きる事が出来るのが不思議ですよね。しかも、民宿の宿の中は、縄文杉に向かう人が準備を始めているので、意外とバタバタしてにぎやかです。
外がまだ真っ暗な時間に起床ですが、こういうときだけは意外と気持ちよく起きる事が出来るのが不思議ですよね。しかも、民宿の宿の中は、縄文杉に向かう人が準備を始めているので、意外とバタバタしてにぎやかです。
持ち物は、水分補給のために500mlのペットボトル3本と、4時に宿で準備された、朝食と昼食の弁当2つ。それから念のためエネルギーが比較的早く吸収されるようにバナナを1本をリュックに。
さらに持ち物の中には、カッパや地図、着替えのシャツや靴下など入れ、すべてを合わせると結構重いです。10キロくらいはあるかと思います。これを背負って片道11キロを歩くんですね。
始めてのトレッキングだけに、ちょっとだけ不安もよぎります。
九州の朝は茨城よりも明けるのが遅いです。シャトルバスが運行されている屋久杉自然館まで、ヴィッツ君で向かいバスを待っているのですが、バスが来る4時40分でも真っ暗です。
ゴールデンウィークについに突入し、登山者は沢山いました。しかし僕は運良く始発のバスに乗り込む事が出来ました。あと4人後ろに並んでいたら、一時間後のバスまで待つ事になったので、一安心。
約40分程で登山口である「荒川登山口」に到着。
準備体操はバスを待っている間にしておいたので、到着後すぐに登山を開始しました。登山開始は5時20分です。まだ、薄暗いでしょ。
この縄文杉登山は、片道11キロのうち約8キロはトロッコ電車の線路(トロッコ軌道)を歩いていきます。比較的歩きやすいのですが、周りの景色に気をとられて足をくじきそうになったこと数回。
トロッコ軌道では、沢を何度も渡るのですが、その橋を渡るときは枕木の上に板を敷いてあるところを渡っていきます。板の幅は、大体30-40センチほど。長い橋は何メートルもあります。
標高600メートルの荒川登山口からトロッコ軌道が終わる大株歩道入り口までは約8キロ。この間はノンストップで約2時間歩きました。これには僕なりの理由があったんです。
1つは、トロッコ軌道後の登山は結構きついと聞いていたので、膝を痛めている僕が他の登山者の邪魔になると申し訳ないと言うこと。
もう1つは、後ろから団体が来る前に、縄文杉にたどり着いて、人の少ない静かな状態で縄文杉を眺めたいということ。
バスを降りてトロッコ軌道を歩き始めたのは僕が一番だったのですが、やはり慣れている人には叶わないです。8キロ歩く間に3人の登山者に抜かれていきました。
大株歩道入り口でトイレと、休憩を15分くらい取りましたが、まだ後続は来ません。かなり早いペースで歩いてきたのかなあ・・。
足が、結構辛いです。ふくらはぎの外側が結構痛い。ただ、捻ってしまっていた右ひざはそんなにはまだ痛くないのが救いでした。
足が、結構辛いです。ふくらはぎの外側が結構痛い。ただ、捻ってしまっていた右ひざはそんなにはまだ痛くないのが救いでした。
とりあえず、今度は一気にウィルソン株まで行こうと決め、出発です。
ですが、、、いきなり急な登り。
白谷雲水峡の登山道よりキツイ気がします。
最初からトレッキングポールを使いながら行くのですが、ロープをつたって登る箇所もあります。大株歩道入り口からものの数分で右ひざは悲鳴を上げ始めました。
いやいや、忍耐です。とりあえずウィルソンまでは頑張るぞ~。
約20分くらいでしょうか。何も考えずただひたすら登り、たまに岩にしがみつきながらの自分との闘いです。沢沿いの岩場を抜けると、少しひらけた所にでました。
ちょっと先に、大きな切り株があります!!!
「ウィルソン株」!!
胸高周囲は13.8メートルで樹齢推定2000年といわれる切り株です。中には小さなお社があります。
中に入って外を見上げて撮った写真がこれです。
中に入って外を見上げて撮った写真がこれです。
豊臣秀吉が伐採させたという記録もあるようですが、大きすぎて運ぶ事が出来なかったらしく、伐採した木が近くの沢にあるという話も聞きました。
それにしても、生命力の、しかも非常に力強いエネルギーと言うものを否応がなく感じる事が出来ます。
それに比べたら自分の膝の痛みなんて・・。少し休憩しながら、バナナを食べてちょっとだけ回復。
あと、1時間半くらいの登山、頑張っていきましょう!!
と、登りの道を見上げると、、、、階段が見えなくなるまで続いています。
これはきつそうだ。何の変化もなく単調に登るのがとてもきついし、時間も長く感じる。
でも、これを乗り越えないと縄文杉にはあえないのです。
まずは最初の一段から踏み込まないと始まらないし、躊躇していても気力がストップしてしまいそうなので、歩き始めました。
それにしても階段の幅もそんなに広くないのです。上りと下りの人がすれ違うのも難しい。
それにしても階段の幅もそんなに広くないのです。上りと下りの人がすれ違うのも難しい。
とにかく登る。登る。登る。
ウィルソン株から少し登り始めると、トロッコ軌道で最初に抜いていった人が、下山してきてすれ違った。
速い!!
とても速いです。
後から計算してみたら、すれ違った地点でどのくらいの差がついていたのかが分かりました。約1時間20分の差がついていました。どうやったらそんなに早くいけるんだろう。
まあいいさ。自分は自分のペースで。
コンクールや受験でもそうですが、明確な目標があるときはどんなに辛くても頑張れるものですよね。だから、登山も同じで、縄文杉まではどんなに急な道であろうと、階段が続こうと、気力は殆ど落ちないんですね。
白谷雲水峡でも思ったことですが、また長い階段を登っていてふと頭をよぎったのは、目標を達したあとも、この長い登山道は帰り道として続く。おそらく目標達成後の方が体力・気力面において辛いものになるのではないだろうか。
白谷雲水峡でも思ったことですが、また長い階段を登っていてふと頭をよぎったのは、目標を達したあとも、この長い登山道は帰り道として続く。おそらく目標達成後の方が体力・気力面において辛いものになるのではないだろうか。
そう思うと、登山って人生にたとえる事が出来るのかもしれない。
人生すべて楽しい事は続かない。かといって嫌な事も続かない。問題は、楽しい事が出来るまでは良いが、その後の踏ん張りが効くかどうかによって、大きく道が分かれる。
そう思いながら、一歩一歩進んでいくと、一歩がいかに小さな事か・・・。
しかし、その一歩がなければ、進む事が出来ない。
さらに、油断した一歩を踏んで道から転落する事もありえる。
さらに、油断した一歩を踏んで道から転落する事もありえる。
まさに、登山って人生そのものって気がします。
そんな事を考えながら進んでいくと、夫婦杉が見えてきました。2本の杉が仲良く並んでいます。大きい方は樹齢1500年、細い方は1000年だそうです。
ここは登山道の途中にあるので、写真だけ軽く撮って、休憩を入れずに進みます。
さらに登る事約40分。
岩場があり、水が流れているところにつきました。この岩場も登山道です。滑りそうなので足元を見ながら歩いているのですが、ふと目を先にやると、階段があり、さらにその上にはデッキのようなものが・・・!!
数メートルの水の流れる岩場を過ぎて、数十段のちょっと急な階段を登ります。これが、最後のとどめと言わんばかりに急な階段です。
・・・・・・
・・・・・
・・・!!
「わあ~~~・・・・!!!」
「・・・・」
最後の階段で息が切れていますが、言葉が出ませんでした。
圧倒的な大きさで、静かにたたずんでいる「縄文杉」
7200年とも言われる長い歴史を見てきた縄文杉。
7200年とも言われる長い歴史を見てきた縄文杉。
ただ大きいだけでなく、その歴史も感じさせる幹。
やっと会えたね。
前から興味はありましたが、今年の春になってから、急に行きたくなり気がついたら航空券を予約して、予定を作っていた今回の屋久島行。
縄文杉も「よく来たね。お疲れ様。」
と言ってくれているように感じます。
と言ってくれているように感じます。
ここ最近、個人的に嫌な事が続いていた出来事が、いくつも頭に浮かんできたのですが、不思議な事に、浮かんでは縄文杉に「すぅ~っ」と吸い込まれては消えていきました。
これって何なんでしょうね。不思議な感覚でした。
自分も入った写真を撮ってもらい、まだ殆ど人が登ってきていない静かな時間を過ごしました。
結局、ウィルソン株からさらに2人に抜かれましたが、彼らは縄文杉のところで一緒になりました。しかし、広いデッキには自分を入れて3-4人しかいません。デッキにしばらく座り、縄文杉を見つめていました。
縄文杉をみながらカメラ小僧のように、パチパチと写真を撮りました。根を保護するために木に近づく事は出来ないのですが、それでも幹の深みを見て取る事が出来ます。幹の直径は4-5メートルもあるということなので、写真ではその大きさを想像する事は難しいかもしれません。
さらに、根は端から端までで、48メートルもあるそうです。
さらに、根は端から端までで、48メートルもあるそうです。
じっと眺めていると、自分が大自然のごく一部に過ぎないこと。人間の小ささなどを痛感します。
では、屋久島ひとり旅 最終章へ続きます。