ギター文化館の銘器の録音にあたって、楽器を弾きこんで特徴を掴むために時間があるときに文化館に通っています。
今日も行ってきました。
録音は、来館者の視聴のために、弾ける状態のものはすべて録音する予定ですが、その中からカーノコレクションであるトーレスやサントス・エルナンデス、マヌエル・ラミレス、ドミンゴ・エステーソ、マルセロ・バルベロの5本をCDに収録する方針です。
この5本は、すべて1930年代以前の楽器であることから、いろいろとリサーチをしていった結果、ガット弦で弾いてみたいと思うようになりました。ナイロン弦で弾くのも現代という時代に沿っているのですが、せっかく銘器を弾いて録音するならば、ある程度のこだわりを持ちたいと思ったのがきっかけです。
上記の5本はそれなりに系統にちなんで選んでおり、選曲もおおよそその時代の曲から選んでいます。
各曲がどの楽器で弾くのが適しているかを吟味しているうちに、当時の音とはどんなものだったのかな?という素朴な疑問が湧き始め、それならば、当時の音を出来る限り再現できる環境にして演奏してみたいと思ったわけです。
ナイロン弦の歴史も調べてみると、初めて発売されたのが1954年にオーガスチンから商品化されたものらしいので、おそらくガット弦は50年代後半くらいまでは普通に使われていたのではないかという推測も出来ます。
さらに調べてみると、上記5本の楽器の制作された頃は、調弦のピッチも標準がA=435だったようなので、それで調弦して弾いてみると、とても素晴らしい響きが楽器から出てきました。
弾いているだけで、写真で見ているような1900年代前半の車や、人々の様子、街の様子などが、目の前に広がってきました。
ピアノも、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンの時代では楽器の音が全く違いますが、ギターも当時の環境に出来るだけ近づけることによって、音にも明らかな違いが生まれます。
一緒に行った生徒さんにも、トーレスやバルベロなどを弾いてもらいましたが、やはり違いは明らかでした。

夏には、とても楽しく録音が出来そうで楽しみです。
そして、そのほかに今年は大きな仕事が2つあります。
一つは、マスタークラスビデオの制作。もう一つは、、、、「ドラクエ」です。
この二つは、内容が非常に緻密になっていくと思いますので、随時、進行しながら紹介していきます。

マスタークラスのビデオについては、オンラインでというのを基軸にしていますが、出来上がったら画期的なものになるのではないかとわくわくしています。
ドラクエは、まだまだ話がでたばかりなので、詰めていくのはこれからなのですが、現況では、迅速に編曲を終わらせる必要が出てきました。
皆様、是非お楽しみにしていてください!!