2010年11月

11月19日はリナレスに移動し国際ギターフェスティバルに参加してきました。

 リナレスはセゴビア生誕の地でもあり、今回の旅はセゴビアにゆかりのあるところに多く行った気がします。最初に演奏した会場はマドリッドでセゴビアがデビューリサイタルを行ったホール、グラナダではアルハンブラ宮殿を眺めることが出来る広場で練習をしていたという場へ。そして、リナレスでギターフェスティバルが行われるセゴビア博物館では地下にセゴビアのお墓があります。そういう会場で演奏をさせてもらえるとは、とても光栄です。

 19日は、リナレスでの演奏の前に隣町のウベダでリサイタルがあります。最後の演奏日も1日2公演でした。

 ウベダは建物群が世界遺産に登録されていて、小さい町であることから街ごと世界遺産になったといっても過言ではないくらいの場所です。

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 上の写真は、バスケス・デ・モリーナ広場のエル・サルバドル教会とデアン・オルテガ宮殿です。


ウベダ音楽院も16世紀の建物で、世界遺産の建物のひとつだそうです。

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 16世紀は日本でいうと室町時代、安土桃山時代ですね。そんなことを想像すると、歴史の重さを感じることが出来ます。

 建物の中に入ると正面に階段がありますが、その階段も撮ってみるときれいな写真になりました。

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 スペインで演奏するにあたって、良くない演奏だと拍手もまばらで、お客さんが途中で帰ってしまうこともあると聞いていたので自分の演奏がどのように受け入れられるか挑戦でもありました。
 ただ、気張って弾くよりは、いつもどおりに弾くことを心がけました。

 どの演奏でも、沢山の拍手を頂くことが出来たので、嬉しかったのと同時にホッとした気持ちもありました。特にソロのリサイタルでは、プログラムの1曲目が終わって立ち上がるととても大きな拍手をもらいました。2度おじぎをしても拍手が止まらなくてもう座ってもいいかなと椅子に腰かけても止みませんでした。
 プログラムの最初のおじぎでこのような反応をもらったことはこれまでで初めてだったかもしれません。椅子に座った状態でもう一度おじぎするとようやく拍手が止まりました。
 
 コンサートには、一般のお客さんのほかにもウベダ音楽院の学生が見ていましたが、コンサートが終わって控室に戻ろうとすると沢山の人が駆け寄ってきて控室の入口に入りかけていましたがホールに引き戻されてしまいました。こんなこともこれまでで初めてでした。

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ウベダでの演奏会が終わると、すぐに車に乗り込みリナレスに移動。


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セゴビア博物館での演奏もとても落ち着いて演奏することが出来たと思います。
ここでの演奏で、スペインツアーでの私の演奏は終了します。ツアーが始まるときは、多くの演奏をひかえて盛り沢山だという印象を持っていましたが、いざ始まるとあっという間でした。

残りの20日から22日はコンクールの応援です。

では、また次回に。

金曜日に一曲だけですが録音をしてきました。

ギタードリームに私の編曲した3重奏の譜面がのります。おそらく次号に掲載されるかと思いますが、その掲載される楽譜の演奏を録音しました。

曲はプッチーニの「誰も寝てはならぬ」です。

アイススケートで使われて曲です。あのイナバウアーの時に流れていた曲ですね。

では、


「スペイン演奏旅行記5  グラナダからアルムニエカルへ」です!


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 11月17日はアルハンブラ宮殿のあるグラナダから一路地中海方面へ!
それにしてもアルハンブラは良かったです。また行きたいです。ホテルも宮殿からすぐのアルハンブラパレスというホテルに泊まりました。とても綺麗なホテルでした。

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 グラナダからバスで、1時間半ほど南下すると地中海が見えてきます。そして、海岸通を少し行くとアルムニエカルという町に着きます。今回は移動時間がそれほど長くはなかったので到着してからも時間に少し余裕がありました。翌18日は街に繰り出す時間があるので練習をしました。何せ17日は自分のリサイタルがあるので、最終チェックをしておかなければなりません。しかもこの日は一日2公演です。

 スペインに着いてからは練習時間はほとんど取れないスケジュールになっているので貴重な時間です。
ホテルの部屋からは地中海を見ることも出来たので、ベランダでも練習しました。

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 夕方からは他の方達とは別行動で、私はソロのリサイタルに向かいました。
向かったのはトーレ・デ・マールという町で、そこのトーレ・デ・マール音楽院でリサイタルを行いました。ブラボーという歓声を受けた時はとても嬉しかったです。

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 リサイタルが終わった後は、すぐに2公演目のネルハという街に移動しました。トーレ・デ・マールからは、車で30分くらいのところですが、この日は地中海沿いを行ったり来たり。とても綺麗な景色を何度も眺めることが出来て、とても幸せでした。

 ネルハに着くと、ジョイントで出演する皆さんがリハを行っています。私もアンサンブルに加わる事になっているので、到着と同時に急いで準備。
 演奏会は、ここも盛況に終わる事が出来たと思います。



 18日は、夕方からホテルでコンサートが行われましたが、移動がないので昼間は買い物に出かけました。昼食は皆でパエージャ。手塚先生のよくご存知の店で、食材もその日の朝に直接市場で仕入れてくるそうです。

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ここのパエージャはもの凄くおいしかったです。
それから、なんと言っても海老とムール貝は格別でした。
 普段日本ではあまり飲まないのですが、スペインでは連日ワインです。しかも昼食からワインと言う事が多く、あまりお酒に強くない私ですが、おいしいワインのためこれは飲まずにはいられません!

 スペインでは食事がとてもおいしく、特に魚介類は楽しみの一つになりました。


まだまだ、スペイン演奏旅行記続きますよ。^^
 

 11月16日は朝からバスでセビーリャからグラナダに移りました。16日はこのツアーで数少ないオフの日です。グラナダにはギターファンには是非とも足を運びたいと思うアルハンブラの宮殿があります。スペインを訪れるのが初めての私にとってももちろんとても楽しみでした。

 そういえば、スペインでは、午前7時くらいでも日が昇らずあたりは明るくなりません。8時近くになってようやく明るくなってくるのです。

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 大きな町と町の間は広大な大地の中をバスは駆け抜けていきます。途中山全体にひろがるオリーブ畑を見ました。

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 オリーブは大きくておいしい実を育てるには木も年月をかけて育てる必要があるらしく、その為には何代もかけなければいけないそうです。

 グラナダについて街を散策する組と、アルハンブラ観光組に分かれました。
 
 アルハンブラに入るとまずヘネラリーフェへ。糸杉がきれいに剪定されていて素晴らしかったです。糸杉の間を通って行くと、見たことのある景色にたどり着きました。

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 ヘネラリーフェの建物からグラナダの街を眺めることができます。

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 さらに宮殿を眺めるとこのような感じに見えます。11月のグラナダは、雨になることがとても多いらしく、このように晴れたことは珍しいと聞きました。とてもラッキーな天候に恵まれました。

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 宮殿内は、日本語が堪能なスペインの方がガイドをしてくれましたので、とても分かりやすかったです。ヘネラリーフェを見学した後アルハンブラ観光組で写真を撮りました。

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 宮殿は、外側から見るとシンプルですが、内装はとても豪華な装飾になっています。これはガイドさんから聞いた内容ですが、イスラム文化では外側はシンプルにして、中身を充実させることが良いという発想があるようで、それは人間も同じですよね、と話していました。そのとおり、宮殿内は素晴らしい装飾ばかりでした。

 そして、とても有名なアラヤネスの中庭を見たときはとても感動しました。

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アルハンブラ宮殿を見学した後の昼食では、ギター制作家のアントニオ・マリンさんとご一緒しました。とても柔和な方でした。

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 私はスペイン語を話すことは出来ないのですが、いくつか語呂合わせで覚えることが出来るかどうか試してみました。

「ありがとうございます」は「ムーチョ グラシアス」ですよね。
この程度は知っていましたが、語呂合わせを考えてみました。そこで思い付いたのが・・・

「務所暮しです」


・・・・

 もっとまじめにスペイン語を覚えろ!!といったところですが、なんと!!
これが通じたのです。ただはっきり言いすぎると通じなかったので、語尾を少し小さめにしていったところ、「デナラ」(どういたしまして)と言葉が返ってきました。

 さらに他にも何か考え付かないかなと思っていると、タクシーの中で誰かが「カジェ・デ・クリティーナ」と言いました。そこで私が「風邪で薬欲しいな」というと、運転手はきょとんとしていました。
これは失敗だったようです。
くだらないですよね。^^

 さて・・・

 昼食後は、セゴビアが叔父の家に滞在していたころギターの練習をしていたという広場に行きました。

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 この広場からアルハンブラ宮殿を眺めながらギターを弾いていたのかなと思うと、なんだかぞくぞくします。

 スペイン行きも数日経ってくると、仲間と大分打ち解けてきます。みなさんとてもよい人ばかりで、とても楽しい旅になりました。

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夕方は一人で街を散策して貴重なオフの時間を過ごしました。

スペイン演奏旅行記、まだ続きます。

11月15日は午前9時の新幹線で、セビーリャに向かいました。

 マドリッドに滞在していたホテルは新幹線が出るアト-チャ駅から歩いて10分ほどですが、荷物が多くあるのでバスを頼んでありました。バスが来る予定時間は8時。

 しかし、8時を10分程過ぎても来る気配がありません。付き添いの方が確認のために電話をすると、日本の旅行会社のミスで、9時になっていたのです。あと少しで大変なことになるところでした。なんとか間に合う時間にバスに乗り込み、アト-チャ駅に向かいました。


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駅では日本と違い荷物検査があります。まるで空港のようです。


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マドリッドはスペインの中央に位置していて、セビーリャは南西部にあります。そこまで約2時間30分の列車の旅。世界の車窓からみたいな光景ですね。


セビーリャに着くと少し観光をしました。
最初に行ったのは、スペイン広場。


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1929年に行われた万国博覧会の会場の施設として建設されたものです。広大な敷地です。下の写真は大きくカーブしている回廊です。


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回廊の途中部分で記念撮影。

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回廊の中央部分から柱が入るようにして中庭を望むひとコマです。

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そして、建物の両端には塔が建っています。

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スペイン広場を見学した後は、少し移動してヒラルダの塔と大聖堂を見に行きました。

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 塔と大聖堂は同じ敷地に作られており、イスラムとキリストの混ざったいかにもスペインならではの場所です。観光組は、ヒラルダの塔に登ったようですが、私はその日の夕方から演奏があるので、登りませんでした。
なにせ、高さが97メートルもあり、階段を上っていくそうです。一日オフでしたら上ってみたかったです。次回の楽しみにしておきましょう。
 
しばらくしてから皆合流し、バスが迎えに来るグアダルキビル川沿いの道で時間をつぶしました。

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 この道沿いには、すぐそばに闘牛場がありました。中に入る時間はありませんでしたが、やはり趣きを感じます。それから街中、馬車が走っていました。

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 普段、演奏する日というのは観光することは滅多にありません。
 しかし、今回のスペインツアーでは観光も同行することになっているのを事前から知っていたため、練習は日本にいる間にしておきました。しかし、やはり、気になるものですね。バスを待っている時間などふとした時に、演奏のことが気になってきます。

 ホテルに戻っても、あまり練習する時間はありません。不安な個所のチェック程度ですぐにコンサートの行われるセビーリャ音楽院に向かいました。
 このコンサートも14日のマドリッドで行われたコンサートと同じ形式で会が進行しました。どのコンサートでもそうでしたが、会場に着いてからも練習する時間はほとんどありませんでした。ウォームアップも程々で「はい、お願いします!」というパターンです。
 開始時間も予定ちょうどに始まるかと思えば、20分くらい押したりとバラバラなので、正直いつ呼ばれるか分からないという状況に近いです。

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 演奏後は、打ち上げです。スペインでは打ち上げは普通行われるようで日本と似ているなあと思いました。というのも、アメリカでは打ち上げをするということが少なかったからです。演奏が終わると即解散というパターンが多くそれが西洋式かと思っていましたが、その印象は今回変わりました。

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マリア・エステルとの共演はここまでで、これから先の演奏では、アンサンブルもマリア・エステルの代わりに加わってほしいということで、マドリッドで楽譜を渡されました。彼女の代わりを務めるという大役ですが、アンサンブルは好きなのでとても嬉しい役でした。






 

11月14日は、前日同様マドリッドに滞在しましたが、ここで最初のコンサートを行いました。

 マドリッド市内にアテネオ劇場があります。場所は大通りからは少し入ったところにありますが、セゴビアがデビューリサイタルを行ったホールです。また、アルベニスもここで演奏をしたという由緒のあるホールですのでとても緊張しました。

 ホールはとても趣のある内装で、400席ほどありますが音も後ろまでよく聞こえます。


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ここでのコンサートでは、マリア・エステル氏と手塚健旨氏、高木洋子氏とのジョイント形式でした。カンパニージャもこのコンサートで出演しました。


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 私がコンサートの最初に演奏しましたが、セゴビアのデビューコンサートと同じ舞台で演奏出来たことは、言葉で言い表すことが出来ないほど嬉しいことでした。
 演奏についても、自分ごとですが、マリア・エステルが良い評価をしてくれていたと聞いて少しホッとしました。

 
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